2015年度、世界の驚くべき新種トップ10 日本のあのフグもランクイン ※昆虫含む

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ニューヨーク州立大学ESF校(College of Environmental Science and Forestry)の科学者たちは、この1年で発見された18,000種もの新種動植物の中から、特に印象に残る容姿や行動を持った2015年度トップ10を発表した。

アクロバティックな動きを披露したり、見事な芸術作品を作ったり、奇抜な容姿だったりと、ユニークな連中ばかりだけれど、どれも昨年までは学術世界においては無名だった生き物たちばかりだ。

便宜上1から10までのナンバーをふってあるが、正式なランク付けはなされていないのでランク順ではない。10種すべてが同等に凄いということだ。

1. トンボ返りする蜘蛛

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学名:Cebrennus rechenbergi
生息地:モロッコ、エルグ・シェビ砂漠
何者か?:モロッカン・フリック=フラック・スパイダー

この敏捷なクモ形類動物は、体操選手の技を使って危険から逃走を図る。危険が身に迫ると、最初は威嚇姿勢をとり自分をできるだけ大きく見せようとするが、それでも危険が去らないと、トンボ返りを織り交ぜながら逃げ出す。科学者の見た所、このトンボ返りによって2倍は速く走れるようだ。地形を物ともせず、平らな地面はもちろん、丘の上りでも下りでもトンボ返りを繰り出す。


Cebrennus rechenbergi – the flic-flac spider

だが、これで逃走を図るよりは、まるで攻撃こそ最大の防御とばかりに危険に対して猛然と突進するほうが多い。生息地である荒涼とした砂丘には身を隠す場所がないため、逃げても無意味なのだ。さらに、高温の砂漠において、こうしたエネルギー消費を長時間続ければ命取りになりかねない。そのため、トンボ返りは最後の手段なのだと考えられている。ちなみに学名が付けられる以前に、ある生体模倣ロボットのモデルにもなっている。

2. 地獄からのニワトリ

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学名:Anzu wyliei
生息地:アメリカ、ノースダコタ州およびサウスダコタ州
何者か?:羽毛恐竜

鳥と恐竜の特徴を兼ね備える。ティラノサウルスやトリケラトプスと同時代の恐竜である。6600万年前の白亜紀に、北アメリカで生息していたと考えられている。巣に産卵し、雛が孵るまで上に座って温めていた。また、鳥の特徴として、羽毛、中空の骨、オウムのような嘴の備わった短い吻が挙げられる。雑食性で、氾濫原の植物、小動物、そしておそらくは卵などを食べていたと思われる。

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ノースダコタ州およびサウスダコタ州で保存状態のいい骨格の一部が3つ発掘され、”地獄からのニワトリ(Chicken from Hell)”という愛称がつけられたが、体高1.5m、全長3.5m、体重200~300kgと推測されており、立ち上がった姿はもはや鶏のそれではない。

3.海底に砂のミステリーサークルを作るフグ

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学名:Torquigener albomaculosus
生息地:日本、奄美大島
何者か?:アマミホシゾラフグ

奄美大島沖の海底には直径1.8mほどのミステリーサークルのような円形幾何学模様が現れることがあり、20年近くも科学者の頭を悩ませてきたが、ようやく新種のフグの作品であることが判明した。このフグのオスは砂の中を動き回り、たった1度の産卵場所としてこの城を築き上げる。

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巣には2重の縁があり、スポークのような模様が放射状に広がっているが、これは単なる見掛け倒しのデザインではない。科学者によれば、この円形の縁と溝は巣周辺の海流を穏やかにするそうだ。こうして、海流や、おそらくは捕食者から卵を守っているようである。

メスの頬を甘噛みするオス。こうしてメスの産卵を促す。
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日本の海底で発見されたミステリーサークル、その正体は?

4. サンゴのような植物

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学名:Balanophora coralliformis
生息地:フィリピン、ミンガン山
何者か?:塊茎植物の変種

この寄生性植物は、地面の上に枝を広げながら伸びていく。 根によって寄生し、近縁の塊茎とはかなり異なるサンゴのような姿をしている。

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寄生植物は葉緑素を持たず、光合成をすることができないため、他の植物から栄養を吸い取る。現在、この種はわずか50株しか発見されておらず、いずれも鬱蒼とした森林に覆われたミンガン山南西部の標高1465~1735mの山肌で見つかっている。保護されていない狭い領域にごくわずかしか生息していないことから、絶滅危惧IA種に属すると考えられている。

5. 殺人母ハチ

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学名:Deuteragenia ossarium
生息地:中国東部、古田山国立自然保護区
何者か?:捕食性カリバチ

体長15mmで、子供を守るためにユニークかつ危険な方法をとる。すなわち、木のうろの中に土壁で区切られた巣を作る。各部屋には幼虫の餌となる蜘蛛を殺して入れ、卵を産み付けると部屋に蓋をし、次の部屋用の蜘蛛を狩りに出かける。だが、最後の玄関ホールとでも言うべき部屋には蜘蛛の代わりに、13匹のアリの死骸を詰めておき化学障壁とする。

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巣の入り口をこのように守る種はこれまで見つかっていない。他の樹洞営巣カリバチに比べると、寄生虫感染率が低い。これはアリの死骸から発せられる揮発性化学物質が、幼虫を守っているからだと考えられる。

6. オタマジャクシを出産するカエル

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学名:Limnonectes larvaepartus
生息地:インドネシア、スラウェシ島
何者か?:インドネシアン・ファングド・フロッグ

法則には例外がつきもので、この新種のカエルもそうした例外の1つだ。他のカエルと違い、なんと水の中にオタマジャクシを産み付けるのだ。あるとき、学者に捕まったメスのカエルが手の中でオタマジャクシを出産した。体内受精するカエルは世界に6455種存在するカエルの中でも1ダース以下であり、この新種以外は受精卵を産むか、小さなカエルを出産する。

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オス(左)はメス(右)よりもかなり小さい。

このカエルは体長40mmで、スラウェシ島北部から伸びる半島で発見された。同地域に生息するカエルの調査はそれほど進んでおらず、この種の生息域については不明である。自然林にも、撹乱を受けた森林にも生息しているが、そうした生息域はしばしば同じ属に属する1~5種の種が占有している。小川の落ち葉、草むら、岩などの上で見られる。

7. 謎めいた深海のキノコ型”生きた化石”

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学名:Dendrogramma enigmatica
生息地:オーストラリア、ビクトリア州ポイント・ヒックス沖の深海
何者か?:新発見の門である可能を秘めた深海生物

キノコのような見た目の多細胞動物で、”茎”の末端に口、別の末端に平べったい円盤を備える。データから推測すると、刺胞動物門(クラゲ、サンゴ、イソギンチャクなど)、あるいは有櫛動物門(クシクラゲ)に近いようだが、それぞれが特徴とする進化的新奇性を持っておらず、全く新しい門である可能性がある。

さらに、先カンブリア時代の化石にも似ていることから、一種の生きた化石とも言える。この生物にまつわる謎は学名にも表れており、DNA解析が可能となるだけの標本が採取されるまでは、分類学上不可解(enigmatic)な存在であり続けるだろう。全長8mmほどの茎と11mmほどの”覆い”を持った小さな生き物で、深度1000mの海底で発見された。

8. 歩く枝

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学名:Phryganistria tamdaoensis
生息地:ベトナム、タムダオ国立公園
何者か?:巨大なナナフシ

世界最長というわけではないが、全長23cmとかなりの長さを誇る。この発見は、世界のナナフシにはまだまだ明らかになっていないことが多く、他にも新種が見つかる可能性を示している。たくさんの昆虫学者が訪れるタムダオでは一般的なナナフシであるにもかかわらず、これまで誰の目にも留まらずにいた。

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ブリュッセルの王立ベルギー自然科学研究所生態動物園には生きた個体も展示されている。学名は、ベトナム北西部に広がる山岳地帯に設けられたタムダオ国立公園にちなんだものだ。ところで、世界最長のナナフシは、2008年にボルネオで発見された”チャンの巨大な枝”と呼ばれる567mmのPhobaeticus chaniだ。

9. 華麗なウミウシ

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学名:Phyllodesmium acanthorhinum
生息地:日本、沖縄沖
何者か?:ハナビラミノウミウシ

その美しさのみならず、衝撃的な造形でも群を抜いている。ウミウシにはヒドロ虫を餌とする種と、サンゴに特化した種があるが、この新種はその両者の”ミッシングリンク”である。腹足類の中で、優雅なラインと鮮やかな色彩で深海を美しく彩るこのウミウシほどのフォトジェニックはいないであろう。

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青、赤、金を散りばめたこの新種は、異なる種同士の不思議な共生関係の起源についても理解を促してくれるかもしれない。近類のウミウシは複数に枝分かれした腸腺を有し、その中には褐虫藻という藻類が生息している。こうした藻類はウミウシが餌とするサンゴと原始的な共生関係を有しているが、一度腸腺の中に宿ると光合成で宿主に養分を供給してくれる。この新種の体長は17~28mmだ。

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ほぼ透明なボディから青や赤や金色が透けて見える。ヒドロ虫を餌とする種と、サンゴに特化した種の”ミッシングリンク”であると考えられる。

10. クリスマスオーナメント植物

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学名:Tillandsia religiosa
生息地:メキシコ、モレロス州
何者か?:パイナップル科の一種

メキシコの村々では、伝統的なクリスマスにキリスト誕生を表す祭壇を飾りつけるために利用されてきた。地元ではお馴染みの植物だったが、学会に知られたのはごく最近だ。

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バラ色の棘と平らな緑色の葉を有し、岩の多い切り立った崖などで1.5mほどに育つ。茎はなく、単生であり、ナラ雲霧林の標高1800~2100mの地点で、12~3月にかけて花を咲かせる。地元では親しまれていても、学会には知られていない種があるという格好の例である。

via:esf・原文翻訳:hiroching

引用元:karapaia

 

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